BCNR33 GT-Rに88HOUSE LOUD HID取り付け後の問題
HID専用同時点灯回路の試作


◆今回使用する部品について
 これまでも色々と回路を作成するにはフォトカプラを使用して きたが、出力形態がオープンコレクタータイプがほとんどの為に 電流を引っぱる方向の回路にする必要がある。
 ロジック回路等では簡単に反転や入力論理を変える等できるが 、今回の様なチョッとした駆動回路ではどうしても部品点数がか かってしまっていた。
 その為に今回は 松下電工 の制御機器部門である NAiS にあるPhotoMOSリレーのAQV212を使用してみた。
 今回使用した物は耐圧1.5kVACで出力定格が60V55 0mAタイプとなっているが、出力をONした時のオフセット電 圧が極めて低い事から、微小信号やアナログ信号でもOFFした 時の漏れが少ない他、歪無くON/OFFできる様になる便利な ICである。
 またアナログ信号も通せる為に、オープンコレクター出力の様 に必ず接地する方向で回路を組む必要は無く、入力はフォトカプ ラと同様の発光ダイオード(LED)入力の為に扱い方を気にせ ず便利に利用できる他、左上図の様に出力を2つ持っている事か ら5ピンをコモンにし4と6に別々の負荷を接続する事が可能で ある。
 更に4ピンと6ピンをショートして5ピン間で使用すれば、2 倍の出力電流が扱える様になり、5ピンを使用せずに4ピンと6 ピン間を使用すればAC/DC両方で使用できる様になる。
 製品ラインナップにはICパッケージではなくなるが最大6A (ピーク10A)まで制御できる物がある為に、色々な用途で便 利に使えるだろう。

◆実験回路の作成
 そして今回HID用の同時点灯の為に使用したのが以下の回路 で、ここでは単純にHID用のバラスト駆動はD1とD2により ロービームとハイビームのどちらでも駆動する様にしてある。
 更に、パッシング時にはハイビームだけが駆動される様にし、 瞬時のON/OFFによりHIDのバラストやバーナに多大な負 担がかからない様にしている。
 ロービームの回路にIC1とIC2の2つがあるが、通常ロー ビームの際にはIC1の回路だけでバラストを駆動できるが、ハ イビームの際にはIC2だけ駆動される様にし、IC1がハイビ ームにより駆動されない様にしている。
 そしてロービーム時のIC1とIC2をD2とD3により同時 に駆動していた物が、ハイビームに切り換わるとIC2のみの駆 動となるがIC1は6ピンにより一度ONされればIC2をOF Fにしなければ自分で自分を駆動する自己保持回路としてある。
 しかしこの回路ではロービームとハイビームが途切れ無く切り 換わる必要があり、車両のほとんどでは大電流の消費防止の為に どちらかというとライトスイッチの接点はロービームとハイビー ムの間は途切れる方向にある様であり、のちにその辺の部分も考 慮する必要があるだろう。

◆実験回路の組み立て
 そして今回製作した実験回路が以下の図の様な物で、修正や変 更が容易にできる様に、ラッピング用の長い足のICソケットを 使用して巻き付ける方式のラッピング配線により製作してある。
 部品の実装は上図の様にしてあり、わかり易い様に左半分がロ ービーム用で右半分がハイビーム用にし、手前側がライトスイッ チとし奥側が駆動用のライトに相当するLEDにしてある。
 上図が基板の裏側にあるラッピング配線部分で、こちらもわか り易い様に色別にしてある。
 色については赤色が+12Vで黒色が0Vとし、スイッチ信号 については白色がハイビームで青色がロービームとしてあり、緑 色についてはその他の中間信号的な物で使用している。

◆実験回路について
 操作性としては以下の様にしてあり、まずは左側にあるスイッ チがライトのON/OFFスイッチで、接点をキープするオルタ ネイトタイプのトグルスイッチを使用し、手を離してもレバーを 倒した方で接点をキープする様にしてある。
 そして中央にあるスイッチもオルタネイトのトグルスイッチを 使用し、ここでロービームとハイビームの切り換えを行うが、動 作を視覚的に確認できる様にLEDを取り付けてある。
 更に右側にはパッシング用のスイッチを取り付けてあるが、こ のスイッチは通常手を離すと戻るタイプを採用している車両が多 い事から、プッシュ式のモーメンタリスイッチを使用している。
 そして下図が実際に駆動されるHID用のバラストであるロー ビームと、ハイビーム用のバルブ駆動の様子がわかり易い様にこ ちらにもLEDを取り付けて確認できる様にしてある。
 また、わかり易さからもLEDを色分けし、ロービームを緑色 としハイビームを赤色とした。
 この実験回路を使用して実際のライティング動作を検討した所 、やはりロービームからハイビームへ切り換えた時にロービーム の自己保持用IC1が自己保持し切れずバラスト駆動のLEDが 消えてしまう様で、このままの回路では使えない事がわかった。
 また、ハイビームからロービームに切り換えた際にも若干では あるがバラスト駆動が切れる様で、Hi,Lowどちらからの切 り換え時にも対策する必要がある。
 少なくともスイッチのa接点とb接点がオーバーラップしてい れば問題ないのだが、これだけ小型のスイッチでも普通に切り換 えただけで誤動作してしまう事からも、車両のライトスイッチで は確実に動作しない事がわかる。

◆回路の追加について
 その為に、確実にバラストがONさせる条件を探したがなかな か難しく、車両によってはスモール(ポジション)ランプさえも ライトスイッチの切り換えでチラつく物さえある。
 そこで確実な線で動作させる条件が見つからなかった為に、今 度は条件付の回路を追加する事にした。
 その回路は左上図の様な感じのもので、入力信号が切れてもコ ンデンサーに充電された物でしばらくはトランジスターがONし 続けると言う回路で、これらを下図の回路中にある★印の部分に 追加する事で上記で実験した際の誤動作を防ぐ事ができる様にな る。
 実際にはトランジスターの入力の前に他の回路から影響を受け ない様にもう一段PhotoMOSリレーを入れているが、この ★印の2箇所に追加回路を入れる事でロービームからハイビーム への切り換えはもちろんだが、ハイビームからロービームへの切 り換えの際にもバラスト駆動がチラつく事はなくなる。
 しかしコンデンサーに充電する容量で持続時間が決まる為に、 設定時間以上故意にロービーム/ハイビーム切り換えスイッチを 中立位置にするとバラスト駆動が途切れてしまう。
 ただ、この様な事は意識してやろうと思わなければ出ない条件 の為に、通常の夜間走行時のライト操作に関しての使用ではまず 問題が起こる事は無いだろう。
 また、このコンデンサーからの放電時間を延ばし30秒から1 分にする事で、1度点灯したらバラストやバーナが安定するまで 点灯し続ける様にする事も可能だろう。
 更に、スイッチをOFF後は必ず30秒から1分間点灯したま までは芸が無く、この30秒から1分間は消灯してからではなく 点灯してからの時間とする事で、設定時間以上点灯していれば直 ぐに消灯できる様にする方が製品らしい作りであろう。
 そして、以前セルボモードに同社のHIDを取り付けた際には H4タイプを購入して取り付けたが、その際には確かに同時点灯 回路が付いてきた為にこれを参考にしてみる為に、早速このH4 用同時点灯回路を1セット追加購入し内部の回路を見てみる事に した。
 製品が届いて早速右図の様に内部を開けて見てみると、リレー 回路にて構成されているのだが似た様な回路構成となっていた事 もあり、新規に製作するのではなくともこの同時点灯回路を多少 改造すれば使える様になるのではないかと思った。


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