コンクリートと木造の混構造の家  平成16年9月依頼を受ける、平成18年3月完成までの記録


       このお施主さんと出会ったきっかけは、私の知人の方が地元の「住まいnet信州」という雑誌を編纂しておられ、その取材を受け

      その雑誌の一ページに当方のアトリエが紹介されたことで、その雑誌を見て、さらにこのホームページを見てくださって、訪ねて

      来られたのです。

       その方は埼玉県に長い間住んでいて、定年後は田舎に住みたいという計画で私どもの地元に土地を買っておられたのです。

      知り合いもなくどうやって家を建てようかと思いあぐねていたところ、本屋で立ち読みした雑誌がその雑誌だったのです。

       ご主人は音響機器の技術者でその当時は日本の会社を退職されて、韓国の会社に優待転勤という立場でした。

       打ち合わせはほとんどメールのやり取りで、図面もスケッチ段階はスキャナーで読み取ってそれを画像ファイルでメール

     で送る、というやり方から始まり、そのうちにお客さんの方がPCにも強い方だったので、エクセルで図面を起こして自分のイメージを

     送ってくる、という私も知らなかった図面の書き方を知りました。

       建築設計は今はほとんどCADで描きそれをPDF変換してメールで送るのが一般的でした。

      エクセルで図面が描けるとは驚きでした。

       そんなやり取りを半年も続け、やっとプランが決まってからはCADで実施図面をあげていきました。

        この間、当初現地を見てかなり悩みました。

        左の段差のある現地」   右の傾斜地が現地

        横に細長くしかも道に沿って段々が有り平らな部分が少ない難しい土地でした 。

       とりあえず地盤調査はやって、昔の井戸がありましたがそれは生かす事にしました。

       色々調査していくうちに道の反対側に河川がありそれも建物に影響がありました。

         河川法にかかわる河川 北側のお隣の家を見上げる

      又、裏の土地の持ち主が不明で、その境界は2メートル以上の石垣でしたが、少々古い石垣で本当は隣地で折半してでも新しく積み直すか

     擁壁でしっかりやり直したかったのですが、折半する相手が居ないことで、心配しながらも予算も厳しいのでそのまま使う事にしました。 

     ただし、北側のお隣は家を新築したばかりで、そちらの方もやりたかったということで擁壁は新しくしました。


    平成17年夏

      土地の段差を利用してうまく出来ないかと構造家さんにも相談し、構造家さんの提案で擁壁と建物の基礎工事を一体に考えようという事になりました。

    一階はお店、2階を住居にしたいという希望で、店舗だし、西側の石垣も少し心配でもある、という事で基礎と一階はコンクリート構造で広い空間にして

    おくことで後工事にすることも出来る、ということも考慮に入れ住居部分だけを木造にしようという計画でプランが決まっていきました。   


    実はトップページに紹介していますが、同時期に「らいてうの家」の話も同時に始まっていたのです。

    一方その頃前回やった「県産材の家」を最後に主人は家具の仕事が出来ない状態になっていました。

    入退院を繰り返し私一人では仕事は出来ない状態になっていたのです。

    この「らいてうの家」の方は仲間が集まりました。

    日ごろから一緒に活動している仲間が集まりらいてうの家の方は順調に進められていきました。

    優秀な女性の建築士さんが集まっていました。構造設計も女性です。CADを使いこなしている人も居ます。

    私は病人を抱えながらも仕事を引き受けようと思いました。

    「らいてうの家」の方も現場に通わないといけなかったので、そちらの詳細図も夜中に描きました。

    現場に追い駆けられるようにようやく間に合って?  現場の棟梁からせっつかれてがんばりました。

     「らいてうの家」も企画からオープンまで丸2年以上費やしました。


     平成17年秋 

    こちらの現場が始まったのが「らいてう家」の工事が一段落した時だったのでどうにか現場にも通うことが出来ました。

    もちろんお仲間の女性陣が図面から申請関係も皆動いてくれました。 私も少しは動きましたが。

    棟梁も良く知っている人だったので主人が仕事が出来なくなっていることも伝え、現場は信頼してお任せしていました。

    それでも現場は近かったので出来るだけ通いました。工務店の監督さんも女性でした。まめに電話連絡、メールや現場写真までせっせと送ってくれました。

    やはり基礎工事と擁壁工事に予定より時間がかかりました。

    一番心配だったのは擁壁工事でした。大きな石が出てきてなかなか土が掘れなくなってしまったり、時間がかかりました。

               

       それでも基礎工事と一階の壁構造が立ち上がれば後は木造の平屋が乗るだけですから早く仕上がるだろうと思いました。

       ようやく設計からお施主さんが引っ越す事が出来るまでぎりぎり間に合って約1年7ヶ月の月日が流れました。


              平成 18年1月  

      年末にようやく基礎工事、擁壁工事が終わりいよいよ遅れていた、木造部分の工事が始まりました。

      そして新年の仕事始めは棟上で始まりました。 大工さんたちは年内は木材の刻みで大変だったでしょうね。

        

   基礎工事と一階コンクリート壁構造がきれいに仕上がっています。ここまでくればもう早いです。

        

          手前のブルーシートの部分が擁壁と外階段部分です。

     予定より遅れてきているのでお施主さんは埼玉の家を出てここへ引っ越す予定は決まっています。急がないと引越しが出来ません。

          

      屋根の太陽光発電も設置終わりました。  外壁下地のアスファルトルーフィング全て終わり、着々と内部も同時進行です。

                   西側の外壁部分                     一階壁構造に木造が乗っていますね。床下通気ガラリも取ってあります。

                     外壁の色も決まって、お店だから少し派手かもしれませんがいいんじゃありませんか。

     

    北側外観は不思議な形の屋根と壁です。現場泣かせのデザインになりましたが、これも土地の有効利用の結果です。

 

玄関ですから見せ場です。

                         ここが基礎工事と一階壁構造の腕の見せ所でしたね.

きれいにコンクリートが打ち上がっています。打設工職人の気合が入っています。

          

 内部に行くとコンクリート壁構造の下地に内装工事の下地が始まっています。

          下地を組むのも苦労するところです。仕上げに響きますから。

   

階段室上部

内装工事もどんどん進んでいます。  

もう引越しまで1っヶ月です。  階段室は屋根が三角に下がってきているので、天井貼りも大変、一枚一枚サイズが違うから

                                本当に現場泣かせでした。遅れている上に時間と手間のかかる工事になっています。

  

こちらは一階お店の床工事、基礎配筋は完璧でした。

水平を出してコンクリートを流すことも腕の見せ所です。 ベテランの職人さんがそろっているので安心でした。

    上段は木製ハンガー付き。

  またまた職人泣かせの和室天井張り、一枚一枚サイズが違うから! 

これってやっぱり  

廊下の押入れの中;中段に引き出しをつけてくれました。

                         大工さんたちの中に家具屋さんが一緒に居たんです。

                 主人ともよく知っている若い家具職人です。

                                         家具だけでは生活できません、大工もやっています。

おかげでこんな丁寧な仕事が出来る大工さんは居ますか。

外側も順番に仕上がっていきます。

お店に入る外階段は最後の工事となりました。 

打ち放しコンクリートで仕上げですから仕事が丁寧でないと補修は利きません。

職人さんたちはこれぞとばかりに腕を発揮してくれました。


平成18年3月   いよいよ引越しです


少し落ち着いた頃お邪魔してみました。

   自宅の玄関です。コンクリートの打ち放しの外観とは別世界の仕上がりで、すっきりと仕上がりました。

早速奥様の手作りのさわやかなカフェカーテンが目にはいりました。

                  お邪魔します。

南からの光が階段室の上から入ってくるので落ち着いた中にも

明るいイメージでコントラストがうまくいきましたね。

コンクリートの土間に床下地を置いてからフローリングを張っています。

右手に階段が見えます。

 

 

       階段を上ります

                        あちらこちらに奥様の手作り小物が見えます。 玄関ロッカーは天井まで造り付けでたっぷり使えます。

            

   

    2階に来ました。     階段踊り場を見下ろす                

ホールの北側テラス廊下を見る

 

     ニッチに小物が置かれて 

 

  

廊下の上部吹き抜け;夏はトップライトの窓から暑い空気が出て行きます。

 

             

       居間に入ります。

ご主人の仕事でもあるオーデイオ機器が並んでいます。 ホームシアターのセットです。梁の上からスクリーンが下がってきます。

                                 コンポーネントボックスもCDケースもご主人の手造りです。

 

                              

                居間の梁に照明器具を付けて、吹き抜けの上は通気用の窓で夏は風が下から上がっていきます。

           

     梁にはシアター用のプロジェクター 

    

窓の外はまだ田園風景が、少し南に目をやると蓼科山が見えます。

居間吹き抜け;      朝の光が東の窓から入ります。

スピーカーは四方から;音響効果も抜群の様でホームシアターも臨場感が楽しめそう。

 

           

 

                 居間とキッチン、食堂がワンルームになっています。 朝の食事は蓼科山を見ながら四季の変化を楽しんで、

   

食堂の南側ベランダはコンクリートの床がキャンテイレバーで構造体と一体になっているので安全です。

            テラスのサッシを開けておけば風が抜けていくのでクーラーも要りません。 浴室の窓から北側テラスが見えます。北には烏帽子岳が見えます。

               洗面所、トイレ木製カウンターで造り付けの大工工事で仕上げました。

 

        

唯一の和室;部屋の形は少し変形ですがかえって広がりがあります。

客室になりますが、普段は奥様の家事室といったところ。

このほかに寝室、寝室付きのトイレなどがあります。


引越しをされて落ち着いた頃、ゆっくり創案しながら、一階の店舗をどんな内装にするか色iいろ研究されました。

予算も厳しいのでということで、家具などはご主人が造るということで、またホームシアターと喫茶部は内装を仕上げて、

他はご主人の作業室も兼ねた倉庫はコンクリート壁打ちっ放しという事になりました。

 

 


平成19年春先お店もオープンとなりました。

 

階段の手摺、擁壁の手摺も皆ご主人の手造りです。  

 

 

お店の家具もご主人が造られています。   

この外のテラスも手造りです。  

 

 

 

奥様の手造りのケーキ、コーヒーも最高に美味しく、 

刺繍、パッチワーク、様々なかわいらしくしかもすばらしい作品ばかり

     

余りにも細かな手仕事なので写真ではお伝えできません。

ぜひ直接見に行ってください。きっとどれも手に入れたくなるような品々ばかりです。

パッチワーク教室もやっています。

展示会などにも貸しきりで使うことも出来るそうです。

ホームシアターショップ、軽食喫茶 茶楽庵

 

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