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JAのISO

Last-modified: 2017-01-02 (月) 14:05:25 (957d)
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農業協同組合のISO14001認証取得       | サイトマップ

環境保全型農業の推進

近年、農業分野においても環境保全型のシステムへの転換が課題となっている。
農業はこれまでは、自然保護的側面を有した環境調和型の産業であるとの認識が強かった。しかし、高度経済成長の時代に農薬・化学肥料に大きく依存した近代農業が普及し地域の環境を汚染してきたことは、まぎれもない事実である。
 

農業分野での取り組みの背景

 農業分野でのISO14001とは、国際規格ISO14001を農業分野に導入していこうとするものである。つまり、持続的社会の実現という目的に向かい、JAとその組合員の営農活動にEMSを導入し、今日の経営が直面する「脅威(リスク)」対策を図り、さらには「事業機会(ビジネスチャンス)」を創りだしていこうとするものである。まず、その取組みの背景を3つに整理してみた。

 第1は、近年、農業分野においても環境保全への対応が重要な課題となってきていることである。環境保全の概念が1999年に成立した「食料・農業・農村基本法」に取り入れられ、また同年には、いわゆる農業環境三法(持続農業法、肥料取締法、家畜排せつ物法)が成立する等、循環型社会の実現に向けてその社会制度改革は着々と進んできている。

 持続性の高い社会への転換の試みが開始され、農政においても農業環境政策の視点が重要視されるようになってきたのである。  また、2002年に相次いで起った無登録農薬の問題は、食の安全性におけるコンプライアンスへの取り組みという課題を各農業経営に突きつけた。
 このように、環境経営やリスクマネジメントの確立等、「マネジメント」概念の導入が必要となってきており、またそれにもとつく情報公開の推進もその重要性が年々増してきている。

 第2は、日本農業の衰退への対応が喫緊の課題となっていることである。
農業者の高齢化の進展や担い手の不足問題等、農業生産の主体そのものの脆弱化が進んでいる。さらに、国内農業者は、輸入農産物との価格競争において劣勢状況にある。このような現状を打破する方策が求められ、農産物の差異化、ブランド化に伴う販売促進策が探求されている。

 第3は、農業経営における環境保全活動の販売戦略の可能性が模索されていることがあげられる。農業の21世紀的課題(食の安全性や環境保全)に対して、一農業経営は、具体的にどのような経営を行っていけばよいのか、そして、農業経営が生き残っていくためには、どのような戦略が有効なのか。有機JAS認証への取組みやトレーサビリティシステムの構築、J-GAP認証等の販売促進に関する有効性が検証されている。その答えを模索する1つの方法として、この農業分野へのISO14001の適用に期待がかかっている。農業経営にとって、環境保全への取組みは、事業機会(ビジネスチャンス)へと繋がっていく可能性を内包しているといってよいだろう。

ISO14001認証取得JAの調査

長野県ではISO14001に意欲的に取り組んでおります。

JAながのは、約10年を越える認証取得活動を経て、2010年7月、自己適合宣言へ移行しました。
自己適合宣言に当たってはTSDCによる第三者審査を受けて客観性を確保しております。
JAの先駆け的な取組みとなっております。

JAいるま野では、野菜の産地ということもあり、各種野菜の営農指導・相談事業で間接的に影響を及ぼしうる活動に力を入れております。
またISO14001と環境省のチーム-6活動に登録し環境宣言をしております。
ISO14001と融合させ、全職員での取組みも実現しているところに特徴があります。

  • 兵庫県信用農業協同組合連合会 JA兵庫信連では、経営トップの強いリーダーシップのもと環境経営を推進しております。
    金融業務のためエコオフィス活動とともに、環境活動を金融の側面から支援する間接的に影響を及ぼしうる活動に力を入れております。

JA越後ながおかでは、電気の省エネ、紙類の削減、廃棄物管理といったエコオフィス活動はもとより、営農指導・相談事業で間接的に影響を及ぼしうる活動に力を入れております。
エコ5-5活動とJGAPの普及推進、出荷コストの削減活動、バイオガソリンの使用推進、環境情報発信、エコマーケティングなどです。


農業協同組合をはじめとして農業関係の分野で、ISO14001を認証取得しているところは上記のほかにも調べてみますと、以下のJAで認証取得をしていることが分かりました。

JAのISO14001の具体的活動テーマ

いわゆるオフィスでのエコ活動は紙・ゴミ・電気が代表例です。 JAの営農指導・相談業務では認証取得した各JAのコメントに書かれたものです。

農業生産者による環境保全農業への取り組み

 ここ数年の食品関連の偽装事件などのニュース、食料の燃料化、食料の高騰により輸出規制などで食料事情が大きく変化してきている。
 中国の餃子事件を発端とする農産物の農薬汚染、加工食品の添加剤使用や偽装食品等に関する報道などで、こうした観念が増幅してきている。
 消費者は、農産物・食料品に対して強い“不安”を感じるようになっているのは間違いない。
 人々は農産物・食料品に対する“危険”を感じるとともに、それに起因して自らの生命の存続にさえも強い不安を持つようになるに至っている。
 社会システムはグローバル化し、国境を越えて農産物・食料品を供給するが、その安全性に対する“不信感”が急速に高まっている。
 食料供給システムを構成する各サプライチェーンはこうした人々の不安・不信感の解消に向けての努力を強める必要性が強まっている。
 そのなかでも、最も重要な取組みは、農業生産者による環境保全農業への取り組みでなければならないと考えられる。

 ここで“環境保全農業”とは、とりあえずは、「減化学肥料・減農薬を基本とする農法に立脚したもの]と定義する。
 このような方向を指向する農業生産者に対してこそ消費者は引き付けられるし、そのような農業こそ消費者は支持するであろう。一連の食の不安を引き起こした事件は、また、国産農産物への消費者選好の回帰の絶好のチャンスを作り出しているとも言えるであろう。

IS014001認証取得のすすめ

 前述したように、環境保全農業とは「減化学肥料・減農薬を基本とする農法に立脚した農法である」と定義した。
 これに対し、農林水産省は、“環境保金型農業”を次のように定義している。
「農薬や肥料の適正な使用の確保、稲わらや家畜排泄物等の有効利用による土づくり等によって、農業の自然環境機能の維持増進を図ろうとする農業生産方式」(平成13年度農業白書)

 19世紀後半、人類は化学肥料を発明し農業分野で使用を開始することで農業生産の増大・安定化に成功した。
 20世紀後半には、化学農薬の使用がごく一般的なものとなった。さらに、近年は、バイオ技術による遺伝子組換え作物、クローン技術によるクローン家畜などがニュースになっている。

 こうした技術進歩の活用によって食料の安定供給の確保が格段に向上したのはまぎれもない事実だし、今後も、こうした科学技術の進歩を農業・食料供給側が取り入れていくことを否定できるものではない。

 21世紀に入った今、消費者は農産物・食料品に対して不安感・不信感を強く抱くようになったのは、これらの動きに対する反作用の現れであると認識しなければならない。

 これらの歴史的経緯を振り返れば、人々は農業が自然の力を借りて存続することが正しい道であって、化学的・人工的に生産される食料は忌避しなければならないという結論に至るのは、人間の本能としての反省であり、気づきである。

 したがってこれからは、現在の化学農薬や資材に依存した農業を、少しずつ非化学化していくことや、薬品漬けの食料品を少しずつ薬品漬けでないものにしていくことの必要性は容易に理解できる。
 この必要なことを具体的して実行すれば農産物・食料品に“安心・安全”を付加することができ、消費者の関心を再び地域農業や国産食料品に向けさせる、あるいは引き付けることが可能であろう。
それはまた、地域農業の再生の契機となるであろう。

 こうした環境保全農業への取組みの手法として、農林水産省が提唱する有機JAS認証制度やエコ・フアーマー制度の活用も有効であるが、最も現実的で、容易な方法は、IS014001認証取得をすることであると思う。

IS014001認証制度は環境保全のためのマネジメントシステムの世界標準規格である。それをコンサルタントの舘 喜久男は、主に農業協同組合の活動分野に適用できるように改良工夫して「JA版IS014001」として確立した。

 農業IS014001認証制度と農林水産省の有機JAS認証制度、エコ・フアーマー認定制度との違いは、後二者が法令の定める基準に合致する経営者・事業体に対して行政庁が認証・指定するものであるのに対し、前者ISO14001は、経営者・農業協同組合が減農薬、減化学肥料等にかかる環境目的・目標を自ら設定し、その実現のために構築する推進体制や環境保全マネジメントプログラムに対して民間認証機関が認証を与えるものである。

 即ち、後二者が行政庁による法令上の基準に合致しているかどうかを判定するものであるのに対し、前者は経営者・農業協同組合の自主的、自発的な取組みの妥当性とその実現性とを民間機関が判定するという点に特徴がある。
 つまり、農業協同組合のIS014001は、行政庁の判断を経ないで実施できるというメリットがある。

 IS014001認証制度は、経営者・農業協同組合のみではなく、例えば、組合員や農業法人が取り組むことにより、地域全体や団体の構成員が一体となって可能な範囲での環境保全活動に着手・実行し、地域全体の農産物の付加価値の上昇や、消費者との交流促進といった広域のマネジメントシステムを構築することもやり方によっては実施することが期待できるのである。

農業分野におけるISO9001ヘの取組み事例

⇒ 詳細はこちらまで。JA(農業協同組合)のISO9001認証取得

ISO規格は、経営管理レベルでの本質的な要求事項

ISO14001やISO9001を認証取得するために、ここではその全体像を眺めておきましょう。  ISOの構築で柱となるのは、①リスクマネジメント、②コンプライアンス、
③継続的改善、④情報開示の4点である。

①「リスクマネジメント」とは、環境マネジメントシステム(EMS)では、汚染の予防であり、企業の潜在的危機への対応が求められているのである。
企業はこれらのリスクに対して、いかなるセキュリティシステムを想定し、実際にそれを構築していくかが問われてくる。また、品質マネジメントシステム(QMS) では、農産物の安全責任を果たすため、残留農薬のリスクなどをマネジメントしていくことと捉えることができる。

②「コンプライアンス」とは、法規制を順守することである。環境マネジメントシステム(EMS)の構築に際し、まず各組織を取り囲む法規制を把握し、それを順守していく必要がある。それは、企業が社会的責任を果たしていくための第一歩となる。また、品質マネジメントシステム(QMS)においても、顧客満足のため、関連する法規制の順守や顧客と協定した契約内容の履行を推進していくことが求められている。

③ 環境マネジメントシステム(EMS)、品質マネジメントシステム(QMS)の「継続的改善」への取組みもその構築・運用・改善の重要な柱である。

言及してきたように、EMS、QMSの不断な改善である。改善を繰り返していくことにより、常にその時代状況にマッチしたマネジメントシステムを保つことができる。またそれは、結果的に企業のコスト削減にも繋がっていくことが期待されうる。

④最後に、「情報開示」があげられる。企業の環境施策等に関するアカウンタビリティ(説明責任)を果たしていく必要がある。この情報公開については、直接、ISO14001規格において要求されているわけではないが、環境経営の観点、あるいはEMSの継続的改善のためには「情報開示」を重点的に行うべきとされている。
また、品質マネジメントシステム(QMS)においても、農産物の安全性に関する情報開示はますます重要になってきている。

認証取得のメリット

ISO14001、ISO9001認証を取得することが、各JAにとってどのようなメリットがあるのだろうか。
 昨今、持続的社会の実現に向けて、企業の環境保全活動の必要性が盛んに謳われている。しかしながら、企業が環境保全活動のみに偏重し本業を疎かにすることは本末転倒である。あくまでも、企業とは利益を追求する組織であることから、環境に考慮しながら持続的発展を指向する経営を行うことが求められる。
そして、その持続的発展のためには、「環境」保全と「経済」性追求の両側面への対応が必要とされている。

 しかしながら、経営意思決定のあらゆる場面で環境問題を意識することは、容易なことではない。そのためには、既存のマネジメントと環境情報の統合が必要となってくるし、それを支える新たなマネジメントの構築が必要となってくる。

 農業協同組合(JA)にとって環境問題への対応は「脅威(リスク)」でもあり、「事業機会(ビジネスチャンス)」でもある。そして、その事業機会へのアプローチは、従来の「成長」や「利益獲得」のみに偏重した経営戦略ではありえず、あくまでも持続的社会の構築を前提にしたものでなければならない。
そこで、環境マネジメントシステムの構築への取組みが求められるのである。

 その具体的な一般的メリットを整理しておくと、次のようになる。

【直接的メリット】 ① 経営基盤の強化、② 環境(品質)コストの削減、③ 組織の活性化、④ 情報公開の推進

 直接的メリットのうち、① 経営基盤の強化としては、業務管理の適正化、コミュニケーションの円滑化、事業の積極的推進等があげられる。② 環境コストの削減として、廃棄物処理コストの抑制、資源の有効活用等がある。
③ 組織の活性化は、組織体制の適正化、責任権限の明確化、専門性の付与等である。④ 情報公開の推進は、データベースの確立が容易となる事などがあげられる。

【間接的メリット】 ① 社会的信用の向上、② 新規事業開発機会の創出、③ 環境汚染リスク

 間接的メリットとしては、① 社会的信用の向上として、例えば、環境格付の向上、エコファンドの推進等があげられる。② 新規事業開発の機会は、環境ビジネスの創出があげられる。また、③ 環境汚染リスクの回避としては、汚染の予防、将来のリサイクルコストの最小化が期待できることがあげられる。

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