<パナビジョン>

 1960年代から現在にかけて主流となったアナモフィック・レンズを使用したスコープサイズ。アスペクト比は1×2.40。シネマスコープの欠点だった画面両端の歪みを克服。

◆パナビジョン社は、元々MGM社のカメラ部門で、1957年頃に独立。『ベン・ハー』で使われたMGMカメラ65方式を改めて “ウルトラ・パナビジョン”と名付けた。その後すぐにアナモフィック・レンズを使わない、非圧縮(フラット)の70mm映画を作るために65mmネガを使用して、圧縮なしで70mmポジに焼き付ける“スーパー・パナビジョン”を考案。1960年代に入ると、このパナビジョン社製のレンズの優秀性の評判が広がって、スコープ用のアナモフィック・レンズも作り始める。これが非常に優秀なレンズで、他社の旧来のアナモフィック・レンズは淘汰されてしまった。これにより、1960年代には「パナビジョン=スコープ・サイズ」という認識が一般的となった。事実、当時、配給各社から映画館主向けに配られていた「ストック・リスト」なる小冊子(上映可能なフィルムの在庫リスト)のユナイト映画版を見ると、パナビジョンでも「パナビジョン社製のレンズとカメラで撮影した」上映時マスクのビスタサイズの作品には“ビスタサイズ”という表記しかなく、パナビジョン社製のアナモフィク・レンズを使ったスコープサイズの作品には“パナビジョン”とのみ表記されている。ストックリストは映画館の映写技師が「どの映画に、どのレンズを使うのか」を見るためのものでもあったようだ。

 しかし1970年代に入ると、パナビジョン社はスコープ方式でない作品、つまりビスタ・サイズの作品にも「パナビジョン社のカメラとレンズで撮影した」という意味で、PANAVISIONの名をエンド・クレジットに出したために混乱が生じるようになった。FILMED IN PANAVISION とあればスコープサイズとみてほぼ間違いない(最近では例外もある。『マディソン郡の橋』『真夜中のサバナ』はビスタサイズだった)。問題なのは、FILMED WITH PANAVISION CAMERA & LENSES とかLENSES AND PANAFLEX CAMERA BY PANAVISION の場合で、ビスタサイズの作品にもこのようなクレジットを用いるのでややこしくなっている。配給会社の人間や老舗の映画雑誌でさえ、今だに“パナビジョン”とあればスコープサイズと思っている。困ったもんだ。チラシやポスターに“パナビジョン”と表記されていても、実際にはビスタサイズだった、ということが意外に多い(とくに1970年代の作品は要注意!)。

 現在主流のマスキング・ビスタ方式の作品のほとんどが、このパナビジョン社製のカメラ・レンズを用いている。しかし、あのスタンリー・キューブリック監督などは“Arriflex”社製のものを好んで使っていたようだ。また、“Clairmont”社製のものも時々見かける。

<パナビジョン(アナモフィック/スコープ)の映画−『スター・ウォーズ』>

Lucasfilm Ltd.&TM.All Rights Reserved

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トリミング版TVサイズ 劇場公開スコープサイズ版

<パナビジョン(アナモフィック/スコープ)の映画−『大脱走』>

トリミング版TVサイズ 劇場公開スコープサイズ版

<パナビジョン(ビスタサイズ)の映画−『ロスト・ワースド』>

トリミング版TVサイズ 劇場公開ビスタサイズ版
 『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』は、右の写真のようにSFX(CG)を使用したシーンは元々、純正ビスタビジョンで撮影されている。それ以外のシーンはスタンダード撮影のマスキング・ビスタで上映された。従って、TVサイズ版ビデオの作成にあたっては、SFXのシーンは左右をトリミング、それ以外のシーンは撮影画面のスタンダード・サイズで収録されている。


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