<シネラマ>

 湾曲した特製大スクリーンに、3本の35mmフィルムを横に並べて3台の映写機で同時に映写する方式。アスペクト比は、なんと「1×2.88」!1952年に登場した『これがシネラマだ』を第1作として、約10年間使われた。仕掛けが大きすぎたため製作本数は少なく短命に終わった。

 3個のレンズで3本の35mmフィルムへ広い景観を三分して記録する専用カメラで撮影するとともに、場面内の音声を指向性の強いマイクロフォンで5つに分けて同時に収録するほか場面外の音響も別にとらえ、上映には1組3本の画面プリントを3箇所の映写室にある3台の映写機で半円形の特殊大形スクリーンへ同時に交差映写して観客を包み込むように巨大な画面を現出するのと同期して、音専用の35mm磁気フィルムにある7本以上のサウンド・トラックにより、スクリーン背後の中央と両端部と中間部の5箇所及び客席の後ろと両横に配置したスピーカ群で情景に合った位置から音声を再生する。各フィルムの画像1コマがスタンダードサイズより6割も大きいの画面も鮮明、遠近や移動の効果を伴う立体音とともに観客は、さながら場面の中にいるような実感を受ける。

 しかし、3本のフィルムに分かれている3画像の投影を横に並べるので2箇所につなぎ目が現れ、像の食い違いや色のにじみなどが出る弱点があり、また、向かい合っている人物を近距離で撮影した画面を映写すると、どの人も前を向いているような結果になるので、1961年に作られた最初の劇映画『西部開拓史』では、1本の65mm大型フィルムで撮影して3本式のプリントに直す方法をとり“スーパー・シネラマ方式”と名付けた。

 また、ウルトラ・パナビジョン、TODD-AOなど70mm方式が登場すると、映写機1台でシネラマとほぼ同じアスペクト比が得られるようになったため、本物のシネラマ方式は使われなくなっていった。『おかしなおかしなおかしな世界』はウルトラ・パナビジョンの70mm方式を採用。

 なお、後年のシネラマは、ビスタサイズの作品まで“スーパー・シネラマ方式”で上映していたこともある。例えば、『ゴッドファーザー』『ジャッカルの日』『レッド・サン』『ローラーボール』など。『レッド・サン』や『ローラーボール』はビスタサイズの天地をカットしてアスペクト比を変えて上映されたりもした。テアトル東京、大阪旧OS劇場などがこのスクリーンを有していたが、両館とも既に閉館。

[作品]『これがシネラマだ』『西部開拓史』(スーパー・シネラマ方式)『おかしなおかしなおかしな世界』(ウルトラ・パナビジョン70を採用)

<シネラマ方式の映画−『西部開拓史』より>

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